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05.14.22:00
自作小説などの手製本を手がけていたので(サイトのbooks参照)、これから手製本を始めたいという人に「どんな紙がいいのか?」と相談を受けることがたびたびあります。
自分の考えを整頓する意味も含めて、私がどんな時にどんな紙を選んでいるか?というのを紹介します。 手製本・おうちプリントに興味のある方は「続きから」どうぞ。 ----- ●小説を印刷する ○黒一色印刷・インクジェットで裏抜けしない・にじまない・本文の枚数が多い場合 →書籍用紙(クリーム色のみ、にじみどめ加工あり) ○白い紙で透けない・ベタを用いる挿絵がある場合 →上質紙か色上質紙70kg以上 ○ややざらついた紙・色がついた本文がよい場合 →フリークラフトペーパー、クラフト紙 *コピーやレーザープリンタでは基本的に色のにじみはありませんが、凹凸のある用紙では掠れやゴミが発生することがあります。 *ざらついた紙で表面処理がされていない、クラフト紙などの場合は、インクジェット印刷でにじむことがあります。 *裏にぬけない紙の基準は通常70kg以上、ベタが多い場合などは90kg以上を目安にするといいと思います。 *厚さは斤量で表記しています。㎡では違う値になるのでご注意ください。 ●絵本を印刷する ○インクジェットで裏抜けしない・安価な紙 →上質紙90kg以上 ○全面印刷しても丸まらない紙・フラットな面の場合 →上質紙120kg以上 ○質感のある紙 →マーメイド ○インクジェットの黒ベタが定着する特殊紙 →新バフン紙(ややにじむ) ○カラーの発色がいい紙 →彩現Photo(ただし、インクが落ち易いので本文には向かない) ○カラーの発色が落ち着いた紙 →彩現Litoケナフ *レーザープリンタの場合でも、全面ベタの印刷をすると丸まることがあります。 *インクジェットのフルカラーでは、一般用紙のだいたいでにじみます。用紙設定などでインク量を調整することをおすすめします。 ●遊び紙 ○透けた紙 →クロマティコ(色付きのトレーシングペーパー) ○柄や混ぜ物が入っている、厚めの紙 柄入り→玉しき、ピケ 混ぜ物→フェザーワルツ、新・草木染め、新大礼紙 ○薄くて柔らかい紙 →テーラー、羊皮紙 *本文よりも薄い紙であることが望ましいです。 *薄いと綴じに耐えられなかったり、折れ目の付き易い場合もあります。(タントセレクトなど)。現物を手にとって選ぶことをおすすめします。 *上にあげた紙には非印刷用紙も含まれています。遊び紙に印刷をする場合はご確認ください。 ●表紙に使う ○一般の小説の表紙に似せたい →ケント紙 *めくれやすくなければ、あらゆる紙が表紙として使えると思います。 カバーを付ければ一層丈夫になり、幅が広がります。 「丈夫さ」さえ気をつけておけば、あらゆる紙が表紙として使えると思います。 本文用紙に挙げた性質を参考に、さぐってみてはいかがでしょうか。 ------ 本に利用するというと、ざっとこんなものかと。 本文用紙に上げた紙は、実際に私が本文として綴じたことがあるもの・束で買ったことがあるものです。 東急ハンズや伊東屋、世界堂などでお求めできます。 上質紙は様々なメーカーがありますが、安いものだと1枚6円〜8円ほどで買えます。 初めて綴じる方にはお手頃かと。 色上質だと1枚25円ほどになってしまうのでやや割高ですが、白の色合いがはっきりとして、にじみにくい加工にはなっています。 特殊紙はどうしても一枚15〜40円ほどかかってしまうので、大量の本文や大量な増産体制では負担になるかもしれません。 あなたも、はじめての本づくり・はじめての紙選びはいかがでしょうか! ご参考までに。 PR
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